「警察だ!ドアをあけろ!」
こうなる事は覚悟しとった。ワシは逃げも隠れもせんわい。
「はいはい、今開けますよ。」
ガチャ・・・・
「令状があります。中を見させてもらいますよ。」
「好きにするがいい。」
「警部!ボングにパイプ、シャグにライターがありました!」
「全て押収しろ!」
「あなたには、黙秘権があります。」・・・・・・・・・・・・・・こうしてワシは確保された。
禁煙党
最初はクリーンなイメージを売りにした団体だった。後に、公共放送局の腐敗を暴き、追及!解体!世論の追い風を背にうけて、あっという間に政権をとった。本当ならこの段階で、気づくべきだった。が、徐々に独裁体制を整え、気が付いた時には既に万全の状態になっていた。後はやりたい放題。
党首は、幼い頃「喘息」を患っていたそうだ。父親がチェーンスモーカーで、原因は「タバコの煙」だと信じ切っていた。なので彼が次に始めたのは、「喫煙者狩り」である。「三つ子の魂百まで」とはよく言ったもんで、幼い頃のトラウマが時に人を暴挙に走らせる。そんな流れで、ワシは囚われる事となった。
刑、執行!
なんでも喫煙は、「副流煙」などによって自分とは関係の無い第三者に対しても、害を及ぼし「テロ行為」に準ずるものだそうだ。よって対価は死刑が相応とのこと・・・ワシの死刑の執行は速やかに行われる運びとなった。
「黙秘権はあるのに、裁判はないのか?」
犯罪を確定するだけの十分な証拠があるので、裁判の必要が無いそうだ。方法はニコチンを注射する事による薬殺。彼らのやる事は、ブラックなユーモアに満ちあふれている。そう言えば、公共放送局の連中は広場で吊るされとった。(誰でも見られるように)
猜疑心によって、チクリ体制を敷き、何もかもを誰かのせいにして・・・・・次は誰が彼らの標的となるだろう?
「ちょっと、チクっとしますよ。」
「もう、そうな時間か?」
「ハッ!・・・・・・」
そこでワシは目覚めた!なんだ夢か・・・・・・